オンラインで相続税申告を行うには？準備・やり方・期限について解説

オンライン申告で必要になるもの

オンラインで相続税申告を行うためには、事前にいくつかの機器やソフトを準備しておく必要があります。ご自宅で手続きを完了させるために、まず以下のものを確認しておきましょう。

• パソコンやスマートフォン
• インターネット環境
• マイナンバーカード（電子証明書付き）
• ICカードリーダー（※スマートフォンで手続きをする場合は、対応機種であれば不要）
• 国税庁の「e-Taxソフト」など、申告書作成ソフト

なお、相続税の電子申告はパソコンの利用が一般的です。

オンラインでの相談・申告の進め方

税理士との相談もオンラインで完結できます。Zoomなどのツールを使えば、税理士事務所に足を運ぶ必要がなく、画面を通じて資料を共有しながら相談を進めることが可能です。これにより、遠方に住んでいても専門家へ相談できるほか、自宅にいながらにして手続きを進められるため、時間や手間を大幅に削減できます。

オンラインで相続税申告を行うには、まずパソコンやスマートフォン、インターネット環境、マイナンバーカードとICカードリーダーが必要です。

次に、国税庁の「e-Taxソフト」などをインストールし、必要書類（戸籍謄本、預貯金の残高証明書、不動産の登記事項証明書など）を集めます。これらの資料をもとに相続財産を評価し、申告ソフトに必要事項を入力して申告書を作成します。

最後に、作成した申告書をe-Taxから送信することで、オンライン申告は完了です。

なお、添付書類の一部は原本の提出や別途提出が必要となる場合があります。

無申告加算税が課される

申告期限を過ぎてしまうと、「無申告加算税」が課されることがあります。これは、本来納めるべき税額に加え、追加で支払わなければならない税金です。税務調査を受ける前に自主的に申告した場合と、税務署からの指摘を受けてから申告した場合とでは、税率が異なります。

延滞税が発生する

延滞税は、納付が遅れたことに対する利息のようなものです。申告期限の翌日から、実際に納付が完了した日までの日数に応じて課税されます。税率も期間によって変動するため、納付が遅れるほど負担が大きくなります。

特例が使えなくなるおそれ

相続税には、納税者の負担を軽減するための特例がいくつか存在します。代表的なものに「小規模宅地等の特例」がありますが、これらの特例は、申告期限内に正しく申告書を提出することが適用要件となる場合があります。期限を過ぎてしまうと、本来受けられるはずだった控除や特例が適用できなくなり、結果として多額の税金を納めなければならない事態につながることがあります。

財産評価の難しさ

相続税額の計算の基礎となるのが、相続財産の評価です。預貯金や株式は比較的評価しやすいですが、不動産、特に土地の評価は専門的な知識を要します。土地の形状や道路状況、利用区分など、さまざまな要因が評価額に影響します。インターネットの情報だけで正確な評価額を算出することは難しく、誤った評価をしてしまうと、後から税務署の指摘を受けるおそれがあります。

必要書類の収集

相続税申告には、多くの書類を準備する必要があります。戸籍謄本や住民票、預貯金通帳のコピー、不動産の登記簿謄本など、多岐にわたります。これらの書類は、役所や金融機関、法務局などに請求しなければならないため、時間と手間がかかります。特に、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を準備しなければならない場合、書類の収集だけで数ヶ月かかることもあります。

申告書作成ソフトの操作

オンライン申告では、国税庁の「e-Taxソフト」や市販の会計ソフトを使用します。しかし、これらのソフトの操作に不慣れな場合、入力項目や手順が複雑に感じられることがあります。特に、相続税申告書は記載項目が多いため、どこに何を入力すればよいかわからず、挫折してしまう人もいるようです。

オンラインでの相続税申告は、時間や場所の制約を受けにくい便利なやり方ですが、複雑な手続きや専門知識が求められる場面も少なくありません。ご自身での申告に少しでも不安を感じる場合は、相続に詳しい専門家へ相談することを検討してみるとよいでしょう。専門家に依頼することで、煩雑な準備や手続きの負担を軽減でき、安心して申告を進めることにつながります。